世界の富裕層の純資産に基づいて、毎日更新される「ブルームバーグ・ビリオネア指数」。ジェフ・ベソス氏とビル・ゲイツ氏が上位を死守しているが、インドの資産家であるムケシュ・アンバニ氏(63)がアジア圏から唯一、世界の富豪トップ10入りを果たした。日本人は誰がランクインしたのかなどを含め、世界の富裕層の顔ぶれをみていこう。

総資産No.1はジェフベゾスの約17兆円

最新版(2020年6月28日)のトップ10の顔ぶれは、以下のとおりだ。

1 位 ジェフ・ベゾス  1,610億ドル (約17兆3,408億円)
2 位 ビル・ゲイツ  1,110億ドル (約11兆9,555億円)
3位 バーナード・アルノー  880億ドル (約9兆4,784億円)
4 位 マーク・ザッカーバーグ 823億ドル(約8兆8,644億円)
5位  スティーブ・バルマー  709億ドル (約7兆6,365億円)
6 位 ウォーレン・バフェット 694億ドル (約7兆4,754億円)
7位  ラリー・ペイジ  654億ドル (約7兆445億円)
8位  ムケシュ・アンバニ  644億ドル(約6兆9,364億円)
9位 フランソワーズ・ベタンクール・メイヤー 635億ドル(約6兆8,399億円)
10位 セルゲイ・ブリン  634億ドル (約6兆8,318億円)

1位,ジェフ・ベゾス――Amazonだけではなく、宇宙企業へも参加

首位は、言わずと知れたAmazonの共同創設者兼CEOのベゾス氏(56)。2018年に米長者番付「フォーブス400」で首位に輝いて以来、新たな「世界一のお金持ち」の顔となっている。

同氏の事業や参加プロジェクトは、Amazonだけではない。航空宇宙企業Blue Originやワシントンポスト紙、1万年にわたって時間を刻み続ける「10000 year clock」など多岐にわたる。

2位,ビル・ゲイツ――マイクロソフトを退いてもなお、投資から莫大な収益

2位のゲイツ氏(64)は、Microsoftの共同創設者兼元会長だ。ビジネスの第一線から退いた後も、株式を含む複数の投資から莫大な収入があり、純資産は増え続けている。2020年に、Microsoftから完全に引退。現在は、夫人と設立したビル&メリンダ・ゲイツ財団共同創業者兼共同会長として、慈善事業に専念している。

3位,バーナード・アルノー――LVMHを率いてラグジュアリー界を牽引

3位は、LVMHおよびクリスチャン・ディオールの取締役会長兼CEOのアルノー氏(71)。2019年にLVMHは222億ドル(前年比28%増)という記録的な収益を叩き出した。大株主である同氏の純資産が30億ドル増え、フォーブス誌の世界長者番付で3位にランクイン。12月は、1日だけだったがベゾス氏とゲイツ氏を抜いて首位に立った。

アジアから唯一トップ10入りしたアンバニ氏

ランキングで特に注目したいのは、アジアのビリオネアであるアンバニ氏がトップ10入りを果たしたことだ。ランクインした時は9位だったが、短期間で順位を8位に上げている。

アンバニ氏は、ムンバイに本社を置くリライアンス・インダストリーズの経営者だ。石油・ガス開発を中核に、小売やバイオテクノロジー、インフラなど多角的な経営を行っている。同社の前身は、糸商人だった父親の故ディルバイ・アンバニ氏が1966年に立ち上げた小さな織物メーカーだ。

リライアンス社は2016年に4Gモバイルサービス「Reliance Jio」を開始し、競争の激しいインドの通信市場で価格競争を引き起こした。現在は、約3億人の顧客を抱える同国最大手のモバイルプロバイダーに成長している。

2020年に入って、米大手企業による同社のデジタルサービス子会社であるJio Platformsへの投資が相次ぎ、それがアンバニ氏の資産急増につながった。

Facebookや米投資企業KKRを筆頭に、多くの大手企業が関心を示していることから、今後さらに順位を上げる可能性がある。

日本の大富豪3人がトップ100にランクイン――ユニクロ、キーエンス、ソフトバンク

100位以内にランクインしているのはわずか3人だが、日本の大富豪も健闘している。

30位 柳井正氏 298億ドル(約3兆2,040億円)
41位 滝崎武光 241億ドル(約2兆5,911億円)
67位 孫正義 174億ドル(約1兆8,707億円)

30位の柳井氏は、ユニクロなどを傘下に持つファーストリテイリングの代表取締役会長兼社長。41位の滝崎氏は、自動制御機器や計測機器の製造・販売大手キーエンスの取締役名誉会長を務めている。67位の孫氏は、言わずと知れたソフトバンクグループの取締役会長だ。

日本からトップ10入りするのは難しい?

日本は世界第3位の経済大国であるにも関わらず、ビリオネア数は3人と極めて少ない。また世界ランキング10位の資産額は、日本トップの柳井氏の約2.1倍もある。このような差は、なぜ生まれるのだろうか。

世界ランキング入りしている大富豪の多くが世界規模で事業を成功させているが、日本には同等の規模で成功を収めている起業家や実業家が少ないことが、その理由の一つだろう。

日本から世界ランキングの上位に食い込む大富豪を輩出するためには、より国際市場を意識したビジネスにおける成功が求められるだろう。さらに、「出る杭を打たずに伸ばす」ような社会構造の改革が必要なのではないだろうか。

文・アレン琴子(オランダ在住ライター)

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