本記事は、西崎努氏の著書『60歳を過ぎたらやってはいけない資産運用』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています。

4段階,step4
(画像=Thanadon/stock.adobe.com)

「お金の終活」4つの手順

シニア世代の資産はいずれ相続によって配偶者や子、孫へと引き継がれていきます。そのときに向けて取り組むのが相続対策、「お金の終活」です。「お金の終活」にどのような手順で取り組めばいいのか、4つのポイントを挙げてみます。

(1)配偶者や子どもの意向を確認してみる

本人がよかれと思ってしたことが、実は配偶者や子ども、孫の希望とは違っていた…というのは、お金の悩みでよくある話です。被相続人である本人の意向だけではなく、相続人の意向も確認しておかなければ、残念な結果になりかねません。

だからこそ、まずはお互いの意向を確認してみることです。相続について、そこまで具体的に考えて行動している方はあまりいないかもしれません。まずはざっくりでも「いずれこうしたいと思っているんだ」といった感じで、きちんと話題にするところから始めてみてください。

本人が高齢になれば、自然と配偶者や子どもたちには心配事が出てきているはずです。

(2)ライフプランシミュレーションをしてみる

「お金の終活」といっても、まずはご自分が安定・安心した生活を送れることが前提です。そのために毎月、いくらのお金が必要なのか。また、普段の生活だけでなく突然の病気や怪我での入院、介護費用などの際、どのくらいお金がいるのか(実際には公的保険でカバーできる部分が多いものの)、シミュレーションしておくと安心です。

まずは、被相続人の生活が心配ないことが、相続人も望んでいることです。

(3)資産の現金化を進めておく

高齢になればなるほど、いざというときの現金があることが重要です。いくら資産があっても、現金化できなければ、いざというときの支払いに使えません。健康なときには当たり前にできることができなくなることを想像して準備しておきましょう。

特に本人以外が手続きしにくい、もしくは把握しにくい金融機関との取引や不動産関連などは、生前に整理しておかなければ被相続人たちに多大な労力がかかります。

保険などは契約を知らなければ、死亡保険金が受け取れない可能性もあります。

(4)遺言書を作成する

相続には一次相続(配偶者のいる相続)と二次相続(配偶者のいない相続)があります。

一次相続では配偶者控除もあり、配偶者の意見が通りやすいので相続人の間で揉めることは少ないようです。それでも故人の遺言があるかないかは気持ちの面で大きく違います。

二次相続はそれとは異なり、相続人の間でトラブルが起きる可能性が高まります。

それを防ぐために効果的なのが遺言書です。もちろん全員が納得しやすい遺言内容である必要がありますが、一次相続を含めてスムーズに遺産分割協議を行いやすくなります。

相続で揉める原因は、感情面の問題や、資産が現金化できずに分割しにくいといった事情が大半です。資産の額が大きいから揉め事が起きるわけではない点には注意が必要です。

=60歳を過ぎたらやってはいけない資産運用
西崎努
リーファス株式会社 代表取締役社長。
2007年にSMBC日興証券に入社、CFP資格も保有する全国トップセールスとして活躍し、シンガポール・ロンドンでの海外研修も経験。帰国後はIPOや公募増資等の引受業務に従事する。2017年に独立し、リーファス株式会社を設立。金融商品の仕組みはもちろん、運用実務、大手銀行や証券会社の販売手法まで熟知したアドバイスが好評。「貯蓄だけだと老後が不安」「退職金の使い方に悩んでいる」「金融機関で勧められた商品で失敗した」という人たちの駆け込み寺として、定年前後の世代を中心に相談が殺到。仕組みがわかりにくい金融商品、コストが割高な商品が売れすぎる日本の現状を問題視し、本当に安心して老後資金を増やすための情報発信を続けている。
日本最大級の投資情報サイトである楽天証券メディア「トウシル」では、「やってはいけない資産形成」「1万円で買える米国株式」のテーマで毎月連載、トウシルYouTubeにもレギュラー出演をしている。

※画像をクリックするとAmazonに飛びます
ZUU online library
(※画像をクリックするとZUU online libraryに飛びます)